10月11日から「ことら(cotra)」というサービスが始まる。
「ことら」は10万円以下の個人間の送金のための少額決済インフラで、小口トランスファー」の略で、アルファベットではcooparativr transfer systemの略でcotraだそうだ。
決済の運営会社は株式会社ことらで、株主は三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行(埼玉りそな銀行含む)というメガバンクで各社が均等に25%ずつ出資している。
メガバンクが共同で少額決済インフラを整備するのは、国のキャッシュレス推進方針に協力し、年間8,000億円ともいわれる現金取扱いコストを削減するという狙いがある。
「ことら」に加盟する会社間でのスマートフォンでアプリでの送金には振込手数料がかからない。しかも送金相手の携帯電話番号かメールアドレスで送金可能なので、相手の銀行口座番号などは不要だという。
個人間の送金は年間40兆円と推計されているそうだから、送金手数料無料となると利用者にも大きなメリットがある。
銀行にとっては送金手数料収入がなくなるのがデメリットとなりそうだが、現金取扱コストとATMを減らすことで削減される様々なコストを考えると「ことら」の導入によるメリットが勝るのだと思う。
当初は全国銀行資金決済ネットワーク(全銀システム)による銀行間送金に限られるようだが、送金移動業者が日銀への当座預金口座開設すれば全銀システムを開放するという方針を出している。
少し説明すると、銀行間のお金のやり取りは日銀を通して行われる。普段私たちが自分のAという銀行口座から他の人のBという銀行の口座にお金を振り込む場合、A銀行からB銀行に直接お金が移動すると思っているが、実際はそれぞれの銀行が持つ日銀の当座預金間でお金を移動させることで決済されている。こうした決済を担っているのが全銀システムだ。
だから全銀システムを介した決済をするためには、送金移動業者が日銀に当座預金を開設し資金を入れておく必要がある。
PayPayや楽天エディなどの送金移動業者も「ことら」に加入するだろうから、一挙に決済手段が広がると思う。
銀行を介さない給与振込など決済手段はどんどん進化しているので、私も新しいシステムに対する理解を深め、コストのかからない方法を取り入れていこう。