「もういいかい?」「もういいよ!」

私の住む茨城県も首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)と同じように3月6日までだった「まん延防止期間」が3月21日まで延長された。

中国武漢州で発生し、中国人によって世界中にまき散らされた新型コロナは多くの人命を奪っただけでなく、経済的にもいまだに甚大な被害をもたらしている。

日本でも2020年4月7日に緊急事態宣言が発出されて以降、波状的に襲ってくる感染によって社会と経済に大きな影響がでた。
もっとも大きかったのは2020年の東京オリンピックの延期だ。1年後に開催されたものの、開催そのものに賛否の声があるなか、最終的に無観客でのオリンピック開催は盛り上がりに欠けるものとなった。

日本は死亡率も諸外国のように高くないこともあり、極端な外出規制はなかったが、不要不急の外出の自粛、テレワークの推進、不特定の人が集まる施設や飲食店への休業要請などが行われた。

2020年5月27日に感染状況の改善が見られたことから緊急事態宣言は解除された。その後しばらく小康状態を保っていたこともあり、私たち夫婦も政府の「Go To トラベル」キャンペーンを利用して熊本・福岡への小旅行に出かけたりした。

2021年の春以降新型コロナワクチンの接種も始まり、変異株による感染が発生などがあったものの一進一退の状況が続いていた。そんな中2021年11月に南アフリカで確認された感染力が非常に強いオミクロン株が日本に上陸し感染者が突然増えたことから、今年に入って「まん延防止措置」が発出されていた。

オミクロン株は感染力は強いものの重症化する率は低い。私の知り合いも感染したが少し熱が出ただけで軽症だった。

症状だけを見るとインフルエンザのほうが重い。だから「まん延防止措置」がなぜ必要なのか理解に苦しむ。

感染率と病床の使用率の高さ、つまり医療体制のひっ迫が懸念されることが措置導入の背景らしい。
政府が発表している新型コロナの患者のために確保されている病床数は全国で44,655床、10万人あたり35床だ。日本全体の病床数は1,641,407床なのでたったの2.69%しか充てられていない。
重症化する患者もいるので、単純に病床数だけを見るわけにはいかないと思うが、それにしても少ないと感じる。
無症状や軽症で済む人が圧倒的に多いといえ、ここ7日間の平均で毎日約68,000人が検査で陽性になっているので、医療従事者が確保された病床数の少なさから医療のひっ迫を懸念するのはわからないではない。
問題なのは新型コロナの感染がはじまって2年もたつのに、政府が充分な医療体制を作れていないことだ。
出遅れ感はあったもののワクチンの接種率は高くなった(3回目の接種はもたもたしているが)。しかしそれ以外は国民に犠牲を強いる自粛や飲食店の首を絞める営業時間短縮や休業要請だけだ。

ウクライナ情勢で新型コロナの政府の対応を非難する声が聞こえにくくなっているかもしれないが、もっと現実に即した施策を実施してもらいたい。

「まん延防止措置」は「もういいよ!」


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