いつかはクラウン、いつかはノイマン

1983年のトヨタのCMに「いつかはクラウン」というキャッチコピーがあった。
庶民にとって高級車の代名詞だったクラウンを買って乗るのがあこがれだった時代があったのだ。
クラウンはステータスでもあり、当時は車内が静かで乗り心地もよいと評判だった。
いまなら「いつかはレクサス」かもしれない。

歌手や声優、ナレーターにとって「クラウン」に匹敵するのが「ノイマンのマイクロフォン」だ。
一流のレコーディングスタジオでは必ずといっていいほどノイマンのマイクが使われている。
だから、ノイマンのマイクで自分の声を録音してもらうのが夢という人も多い。

プロが選ぶだけあってそのクオリティには定評がある。
その分値段も高い。U67という製品は100万円もする。さすがに1本100万円のマイクを個人で買うのはちょっと無理だろう。レコーディングスタジオには必ずといっていいほど置いてあるU87Aiは40万円、最も安いTLM102でも8万8千円だから普通の人が気軽に買うというレベルではない。

若いころナレーターや声優になりたかった私にとってノイマンのマイクは憧れだ。
十数年前に買ったAKGのC3000B、一昨年買ったAKGのC214、昨年買ったMKE-600やSM58と複数のマイクを持っているが、「いつかはノイマン」を所有したいと思っていた。とはいってもマイク1本に何十万円も払うことはできない。

そんな中、今持っているAKG-C214とノイマンのTLM107を比較しているホームページを見つけた。音を比較すると明らかに違う。TLM107の音はAKG-C214からベールを一枚剥がしたように明瞭かつ深みのある音だ。
TLM107の上下の価格帯にTLM49とTLM103がある。本来ならこの3つの音を聴き比べたうえで購入するのがベストだろうが、見た目も重要で、最も好みのデザインだったTLM107を選んだ。

木箱に収められたTLM107
丸みを帯びたデザイン

Amazonのポイントをためて買おうと思っていたが、それだと何年も先のことになりそうだったので、Amazonよりも3万円ほど安く、かつポイントが10%つくサウンドハウスで思い切って購入することにした。専用のショックマウントはポイントで手に入れる予定だ。マイクとショックマウントを合わせるとAmazonで買うより6万円ほど安くなる。
妻が在宅中に届いたのでマイクを買ったのがばれてしまった。「マイクは持っているのにまた買ったの?」と訊かれた。適当にごまかしたがさすがに値段(171,000円、AKGのC214が4本買える)は言えなかった。だからこのページの英訳はつくらないことにしよう。

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