未婚社会

「一人で生きる」が当たり前になる社会がすぐそこに来ているという本を読んだ。

日本では結婚しない人、できない人がかなりの数にのぼっている。
2020年の推計で50歳時点で一度も結婚したことのない未婚率は男性が27%、女性が18%だそうだ。
統計では50歳までに結婚していない人がその後結婚する割合は1%にも満たないらしい。
63歳で初めて結婚した私は例外中の例外というわけだ。

この傾向は今後も続くと予測されていて、2040年には男性の3人に一人、女性の5人に一人は生涯未婚となるそうだ。
男性の未婚率が高いのは女性よりも出生数が多いからで、男が余っている。その数340万人ともいわれている。
ちなみに日本で一番男が余っているのは私が住んでいる茨城県だ。
これは日本に限らず世界的な傾向で、アメリカは900万人、中国では3000万人。インドにいたっては5000万人も女性に比べて男性が多い。
つまり女性が全員結婚したとしてもこれだけの男性が結婚できないというわけだ。
実際にはすべての女性が結婚するわけではないから、生涯未婚の男性はずっと多くなる。

すでに男性にとって結婚は贅沢なものになってきている。
日本は少子高齢化が問題となっているが、実際には結婚しているカップルの子供の数は2人なので、結婚するカップルを増やせば少子化は抑えられる。

少し前までは、結婚していない男性は会社で出世できないという風潮があった。それは結婚していれば家族を養っていく責任があるので、簡単に会社を辞めることができないから会社にとって都合がよいという事情があったからでもある。職場結婚も多かったし、年ごろの未婚の男女をくっつけようとするおばさんもいた。
さすがに今ではそんなことをいう会社はないし、世話焼きのおばさんもいなくなった。

ところで結婚しない男女の理由はそれぞれで、結婚するより一人でいるほうが楽だという人も結構多い。
結婚すると自由な時間がなくなるし、自由にお金が使えなくなるというように束縛されるのが嫌という人が男女ともに一定数いる。
でもそれは結婚してみなければ実際にはわからない。
いろいろな調査で結婚している人と結婚していない人の幸せ度を調べると、結婚している人の方が圧倒的に幸せという人が多い。
もっとも一人が嫌だから結婚した人が多いからだという解釈も成り立つのだが。

私は結婚して本当に良かったと思う。
ある文筆家が、夜目覚めたときに隣で寝ている奥さんの顔を見るたびに幸せを感じると書いていたが、私もその意見に賛成だ。

結婚するのもしないのも人それぞれ。
「一度結婚するのは男の義務であり、二度結婚するのは愚行であり、三度結婚するのは狂気の沙汰である」なんていわれていたが、義務すら果たせない世の中になっているのは確かだ。

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