それは、やめてくださいませ

先日のこと。台所で洗い物をしていたら、妻があろうことかコンビーフの缶を包丁で開けようとしていた。

フィリピン関連のブログで、フィリピン人は缶切りを使わず包丁で缶を開けるということは知っていたが、まさか自分の目で見るとは思わなかった。

最近の缶詰の蓋はフルオープンエンドという、缶の蓋の周囲にスコアという切欠きが入っているものが多いので、缶切りを使うことがないので、包丁で缶を開けるという得意技を見る機会がなかった。

妻が開けようとしていたコンビーフの缶は、昔ながらの巻取り鍵を缶の側面部分の突起に差し込んで缶の一部をクルクル巻きながら切り取って開ける方式。

どうもその開け方で開けにくかったらしく、フィリピン人のオーソドックスな包丁による缶開けを実行していた。

日本の家庭には缶切りが常備されていると思うし、我が家の台所にも缶切りはある。
それでも妻は昔から馴染みのある方法で缶を開けようとしたのだ。

見ていて危なっかしいし、包丁の先が曲がったり刃こぼれする可能性もあるので、即座にやめてもらった。
妻は「大丈夫。家ではいつもこうして缶を開けていたし、曲がったり刃が欠けても器用だった父が火にかけて直していた」といっていた。

鋼の包丁なら火で熱して打ち直せば問題ないのかもしれないが、日本のステンレス鋼の包丁では無理。日本の包丁は薄くて切れ味が良いが硬いので曲げに弱い。だからフィリピン式に缶切りとして使うと壊れてしまう。

日本から持って行った包丁を、缶切りに使われてダメにされたと嘆く日本人移住者は山ほどいる。

危ないので缶の蓋は缶切りで開けてくださいね。

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