それをつくれば、彼が来る

ジョン・c・ボーグルの著書「人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」を読んだ。

ダイヤモンド・オンラインで経済評論家の山崎元氏の記事を読むまで著者のことはまるで知らなかった。「バンガード」の創設者と書かれていたので、がぜん興味がわいた。
それは私が唯一投資信託で購入しているのが「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」だからだ。

著者がバンガードを設立したのは1975年5月。
バンガードの由来は、イギリスがフランスとの海戦で大勝利した時、ネルソン提督が乗船していた旗艦「バンガード」から名付けられた。ファンド業界での戦いに勝利していくという決意の表れでもあり、バンガードの意味が前衛や先端という意味もあるように「新たな潮流の先駆者」となるメッセージだったそうだ。

社名そのもののように世界初のインデックスファンドを販売したり、販売手数料なしの「ノーロード」システムを取り入れるなどして現在では600兆円(日本の国家予算は一般会計と特別会計あわせて300兆円)という巨額の運用資産を有している。

「人生のダイヤモンドは足元に埋まっている」には彼の経営哲学・人生哲学が書かれている。
投資業界が「受託責任」から「販売精神」へと重点を移し、本来の投資家から託された「資産を管理する」ことから、自分のために「資産を集めること」に変わってきたが、これは投資家の受託に全く応えていないだけでなく、逆に本来投資家が受け取るべき利益を自らが受け取っていることへの批判。

ファンド業界はこうした姿を改め、投資家と公正な取引をすること。生涯にわたって投資家の役に立つこと。長期的投資の視点をもつこと。長期的投資に資すること。ファンド投資家を中心にすることが彼の夢だという。

当たり前のことを「夢」と語らなければならないほど、今のファンド業界はひどい状況なのだ。

幸いバンガードはこうした轍を踏まないように運営されているようなので、わずかな金額ではあるがファンドを購入している私は少し安心した。

ファンド業界のことだけでなく、リーダーとは何か。家族やコミュニティとのかかわり方などについて書かれているので大変ためになった。

これから何か新しいことを始めようと考えているが、バンガードがマーケット戦略のモットーでもあり私の好きな映画「フィールド・オブ・ドリームス」でも印象的に使われていた言葉が大いに参考になる。

それを作れば、彼が来る

さあて、私は何を作っていこうか。

おすすめの記事