一昨日日本年金機構からメールが届いた。年金改定通知書と年金振込通知書がホームページから確認できますという案内メールだ。
早速ログインして確認した。
今年度(4月から翌年3月)の年金額が0.4%引き下げられることは承知していたものの、実際に減額されている年金改定通知書を見るとガックリ来る。
おまけに6月と8月は前年度と同額の介護保険料も仮徴収されるので、手取り額はさらに減った。
給与所得者として今も働いているので、厚生年金保険料を収めている。それを差し引くと年金収入は2万円以上少ない計算になる。働いている限り70歳になるまで厚生年金保険料は強制的に徴収される。
保険料として支払ったぶん年金は増えるが、今回のように減額が続くようだと、実際に増える金額がいくらになる
物価が上昇する中で年金が減らされるのは、マクロ調整スライドという制度があるからだ。
詳しい説明は省くが、年金財政が破綻しないように、将来支給する年金と保険料収入のバランスを調整する制度だ。厚生労働省のホームページの説明だと、「おおむね100年後に年金給付費1年分の積立金を持つことができるように、年金額の伸びの調整を行う」ための調整らしい。
つまり年金受給者が増え支給額に対して、保険料収入が伸びない場合年金を減額するということだ。
老齢年金受給者は毎年40万人弱増えている。これから数年、新たに65歳になる人の数は減っていくが、労働人口も減っていくので、当分減額が続くことが確実だ。
上の数字は2019年度の年金のデータだ。年金受給者を年金加入者(年金保険料を納めている現役世代)で割ると59.7%になる。年金受給者の中には私のように年金保険料を納めている人も多いと思うので、だいたい現役二人で年金受給者一人を支えている。
いわゆる団塊ジュニア世代(現在40歳代)が高齢者になる20年後には、今のままの人口構成でいくと現役一人が年金受給者一人を支えることになる。
年金支給開始年齢も現在の65歳から75歳くらいに引上げられていくだろう。それでも年金支給額は現在の6割程度まで減るといわれている。
それに比べると0.4%の引き下げはかわいいものだ。とはいっても国全体で節約できる金額は2118億円だから決して少ない金額ではない。
国は2118億円節約できたと考えるかもしれないが、消費に回るお金がそれだけ減ったということだ。
人は損をすることに非常に敏感な生き物だ。わずか0.4%でも心理的損失は何倍にも感じるのが人間だ。しかも今後も年金が減ると思えば財布のひもは締まる一方だと思うのだが。
さあて、手取りが減った分何を節約しようか。