つよく、やさしく、たくましい日本に

ロシアが隣国ウクライナに軍事進攻を始めた。
2014年にウクライナの構成国家だったクリミア自治共和国をロシアが併合し、その後もウクライナ東部の州でロシア系の住民の独立運動にともなう戦闘が続いていた。一時期停戦合意ができていたようだが散発的な武力衝突は日常的にあったらしい。
つまりウクライナは内戦状態にあった。

ロシアがウクライナに攻め込んだ理由は、ウクライナが民主的で自由主義国家として北大西洋条約機構(NATO)に加盟を希望していることに危機感を抱いたからといわれている。
加えてウクライナが停戦合意の条件をいつまでたっても履行しないという理由もあるようだ。

プーチン大統領の真の目的は、かつてのソビエト連邦のようにふたたび強いロシアを復活させることにあるという。

ウクライナはNATOに加盟できておらず、保有していた核兵器も1994年にロシア・アメリカ・英国と締結したブタペスト覚書によって、締結国がウクライナの安全保障を確保するという条件付きで放棄している。
覚書にはロシアはウクライナの独立と主権、既存の国境を尊重し、脅威や武力行使を控えるという内容も含まれているようだ。
だから今回の侵攻はこの覚書をロシアが一方的に反故にしたということだ。
アメリカも英国もともにこの覚書を履行する責任があると思うが、今のところロシアに対する経済制裁を科し、ウクライナに軍事物資の援助することしか表明していない。

結局のところウクライナとともに軍事的に戦う国はないという状態だ。
アメリカにせよヨーロッパにせよロシアと面と向かって戦火を交えることができない。
ロシアはそれを見越してウクライナに侵攻したといえる。
結局のところウクライナのような小国は大国を前にしては何もできないということなのだろう。

今回の出来事は日本には関係ないと思う人もいるかもしれないが、ウクライナに起こっていることは日本にも起こる可能性が高い。

ウクライナと違い日本はアメリカとの間に日米安保条約を結んでいる。
しかし頼みのアメリカはオバマ大統領が「アメリカは世界の警察官ではない」という発言をし、トランプ大統領のアメリカファースト、そして現在のバイデン大統領にいたるまで、どんどんと内向きの国になってきている。
日米同盟があったとしても、日本に自らの国を守る気概と実力がなければアメリカが日本のために血を流すことを期待することはできない。

日本は、ロシアや強権的で覇権主義を露骨にしてきた習近平の中国、何をするかわからない独裁国家北朝鮮、日本をことごとく敵視する韓国という国々に囲まれている。

私たちが戴く日本国憲法は、崇高な理念のもとに作られた憲法であることに違いはないが、残念ながら日本の理念と異なる国もある。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。

われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

<日本国憲法 前文より抜粋>


日本国と日本人はこの理念を大切にし実現していく責任がある。
そのためには日本が強い国になることが何より大事なことだと思う。
強い国というのは何も軍事力だけをいうのではない。科学技術力であり経済力であり、人々の幸福を目指す意志と力をもつ国と国民のことだ。

強い力を持たないと、結局は大国に蹂躙され国民だけでなく多くの人を不幸にしてしまう。

憲法第九条を盾に、「戦争反対」と唱えるだけでは平和を維持させることはできないという厳然たる事実。ウクライナでの出来事は、私たち日本人に大きな警鐘を鳴らしているとみることができる。

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