ふたりだけの誕生日

フィリピン人の誕生日は家族や親戚、友人が集まってにぎやかに行うのが通例で、ファイスブックにはそんな誕生日の写真があふれている。だから家族や親戚が多いといつも誰かの誕生祝をしているように思うほどだ。

手作りの横断幕をはじめとした飾りつけ、メッセージ入りの誕生ケーキとたくさんの手料理がならんでそこに多くの人がいるのでとても賑やかだ。

今は日本に住んでいるので誕生日のお祝いに参加することはないが、一度だけ子供の誕生会に行ったことがある。在留資格認定の審査中で妻と子供たちは実家にいたので、お祝いのラジコンを持って私がセブ島に渡った。誕生会は実家近くのビーチリゾートで行われ、いったい何人きてくれたのか数えられないほど盛況で良い思い出になった。

9日は妻の29歳の誕生日だった。京都に連れて行こうと思っていたが、近くでいい景色のところがないかとういう。考えてみれば茨城県に住んでいるが県内の観光地に行ったことがない。調べるとそれほど遠くないところに「ひたち海浜公園」があって、ネットの写真をみせるとぜひ行きたいというので行ってみることにした。

普段通勤では品川行に乗るのだが、反対方向の電車に乗って勝田まで。通勤の帰りに勝田行きの電車に乗ることはあるが、どんなところかも知らなかった。なので勝田駅で降りて駅が立派なのでびっくりした。調べると一日の乗車人数は13,500人で、うちの最寄り駅より1,000人多い。勝田は以前は勝田市だったがいまは「ひたちなか市」になっていて、人口も約155,000人と私が住んでいる龍ケ崎市の倍。日立製作所の城下町だけあって国立茨城工業専門学校があり、ひたち海浜公園に行くバスの途中に停留所があった。

ひたち海浜公園は国営の公園。国営公園というのはあまり聞きなれないが全国に17もあって、なんと海の中道公園や吉野ヶ里公園も国営公園だった。

もともとは陸軍の飛行場があったところで、戦後はアメリカ軍の射撃場だったが、1973年に日本政府に返還されて、一時は東京ディズニーランドの候補地にもなったらしい。ともかく広い公園で東京ディズニーランドの7倍だそうだ。なので一回りするのもかなり大変で、晴天で暑い中3時間ほど歩いてた。フィリピン人は歩かないというのが通説だが妻は文句も言わず歩きとおした。まあセブでもハーフマラソンをしていたので体力はあるようだ。

写真のように開けた場所が多いが木立も結構あって、ときおり木々の間を通り抜ける風が心地よかった。

この日も私はカメラマンとして頑張った。その成果は妻のYouTubeに活かされたようだ。

フィリピンらしい大人数での誕生祝はできなかったが、良い思い出になったのではないかと思う。

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