昨年6月に就任したマルコス大統領が7日から日本を公式訪問している。
昨日は皇居で天皇陛下との会見や岸田首相との会談などが行われた。
マルコス大統領の就任後は二か国間階段のの訪問先は、9月がアメリカ、1月には中国訪問、そして今回の日本となった。
一般に首脳が就任後どの国を訪問するかで、その首脳が重視している国の順位がわかるといわれている。フィリピンにとって日本は3番目に重要な国ということだ。もっとも12月にはEUを訪問しているから4番目かもしれない。
中国とEU訪問は主に経済関係が主な議題たったようだが、南沙諸島での係争を抱える中国とは問題の抑制と適切な処理が同意されたという。また中国からフィリピンに3兆円規模の投資でも合意したと報じられている。
ただ中国は約束を履行しない国なので、実際にどの程度の投資がされるかは蓋を開けるまで分からないと思う。
その点日本は約束したことは必ず守る。今回官民合わせて6000億円規模の投資や経済支援をすることが決まった。フィリピンは第3次産業(サービス・販売・観光など)の比率が6割と高く、製造業の比率は2割弱しかない。フィリピンが上位中所得国家に成長していくためには製造業に力を入れ輸出を増やしていくことが大切だ。
今回のマルコス大統領の訪問には経済人も多数参加しており、日本の製造業のフィリピンへの投資や貿易促進を呼びかけており、日本側もこれに応えるようだ。
経済とともに今回のマルコス大統領の訪問で、フィリピンと日本の安全保障での協力強化が合意されている。フィリピンも日本も法の支配による「自由で開かれたインド・太平洋」という価値観を共有しているので、こうした協力関係が強くなることは両国だけでなく周辺国の安定と安心をもたらすものだ。
フィリピンの発展と繁栄はパートナーである日本にとっても大切な事柄だ。
”ボンボン”マルコス大統領が当選したときには一抹の不安もあったが、就任以来の彼の仕事をみていると、フィリピンとフィリピンの人たちの利益を守り、生活向上のために汗を流していることが伝わってくる。
これからも大いに期待できる大統領でありづづけてほしい。