今年から4月1日が「ジャパニーズ・ウイスキーの日」になったそうだ。
ウィスキーといえばスコッチやアイリッシュ、アメリカン、カナディアンが有名でこれにジャパニーズ・ウィスキーを加え世界の5大ウィスキー産地といわれている。
ウィスキーが作られ始めたのは12世紀以降なので、古代メソポタミアが発祥のビールや6世紀から作られ始めた日本酒に比べると歴史的には新しいお酒といえる。
スコットランドでウィスキー製造を学んだ竹鶴政孝によって日本でウィスキーが作られたのは20世紀になってからのことでまだ100年もたっていない。
私が本格的にお酒を飲みだしたのは大学生になってからで、ビールとウィスキーをよく飲んでいた。
まだ大分県の別府に住んでいた時は、高崎山でアルバイトをして家に帰るとサントリーの角瓶をキリンレモンで割って飲むのが日課になっていた。
大学を卒業してサラリーマンになってからも自宅では角瓶を飲んでいて、ある時部屋の押し入れに入れていた空き瓶を数えたら30本くらいあったことを覚えている。
外で飲むのはサントリーオールドやリザーブが多かったが、その後ジャックダニエルがお気に入りになった。
飲み方はオンザロックで、水割りや炭酸割で飲んだ記憶はあまりない。
本格的にウィスキーの美味しさや奥深さに目覚めたのはずっと後で、20年ほど前宮崎に出張に行った際に立ち寄ったバーでモルトウィスキーを飲む機会があり、その店のマスターから美味しいシングルモルトウィスキーを飲ませてもらってからだ。
日本酒は新鮮なうちに飲むのが美味しい。だから酒蔵は杉玉を軒先に下げて新酒が出来たことを示す。
逆にウィスキーは樽でゆっくり寝かせることで無色透明の液体が琥珀色になりウィスキーに育っていく。
だから樽の素材と寝かせる場所が大切で、その環境によって風味や味の違いがでてくる。
スコッチウィスキーには潮の香りがするものがあるが、それは醸造所が海に面していることで樽を通してウィスキーに潮の香りが浸透するからだ。
透明な原酒が熟成してウィスキーになるには時間がかかる。
8年とか12年とかボトルラベルに書かれているが、これは最も若いウィスキーが8年とか12年熟成されたものを使用してブレンドされたものであることを表している。
だから突然ウィスキーブームが起こると原酒が足りなくなって価格も上昇することになる。
ニッカウィスキーのニッカが大日本果汁の略(日果)と知っている人も多いと思うが、これはウィスキーを出荷するまでに数年かかるため、その間リンゴジュースなどを販売することで会社を存続させた名残だ。
さて、40歳を過ぎてウィスキーの美味しさに目覚めたのだが、40代のころは品の良い飲み方ではなくひたすら酔うために飲む時期だった。今から思うと全く愚かな飲み方を毎晩繰り返していた。
このところ自宅では水割りのウィスキーをすこしずつ飲みながらNetflixでドラマを見るのが日課となっている。
フィリピンでお酒というとサンミゲールというビールが有名だが、現地ではお祝いなどの時に「エンペラドール」を飲むことが多い。
「エンペラドール」はブランデーと呼ばれているが、ブドウではなくサトウキビが原料だ。
これをグラスで回し飲みをするのがフィリピンスタイル。じっくりグラスを傾けるというよりワイワイガヤガヤやりながら飲むのだ。
残念ながらフィリピンではウィスキーが作られていないので輸入品に頼らざるを得ないが、輸入品はなんでも高いのがフィリピン。
移住後は気軽にウィスキーを飲むというわけにはいかないようだ。