民間調査会社Pulse Asiaの調査によるとフィリピンのドュテルテ大統領の支持率が91%になったそうだ。
この調査はフィリピンの大統領や副大統領、上下院議長、最高裁長官を評価する調査で、9月中旬に対面で行われている。
ドュテルテ大統領は「暴れん坊大統領」というイメージがあって、人権派と呼ばれる人達からはすこぶる人気がいないもののフィリピン国民の圧倒的な支持を得ていることがわかる。
新型コロナウィルスによるロックダウンという厳しい措置と失業率の大幅な悪化にもかかわらず、昨年12月よりも4%上昇しているので、一連の措置も承認されているとみることができる。それは最も大きな影響を受けているマニラ首都圏が10%も上昇していることからもみてとれる。
地域別の支持率を見ると、ミンダナオ地方ではダバオ市長を3期務めていたこともあり97%という驚異的な支持率だ。出身地であるレイテ島を含むビサヤ地方で92%。マニラ首都圏とルソン地方がともに88%になっている。地方により多少の差はあるものの国民からの圧倒的な支持を得ていることは間違いない。
特筆すべきなのは貧困層といわれる人たちの支持率の上昇が最も高く、昨年12月に比べ11%増の95%が支持していることだ。
ドュテルテ大統領の政治手法や評価に関して日本人の私には判断がつかないが、彼が市長を務めていたダバオ市に行ったときに感じたのは、マニラやセブに比べて治安が良いということだ。マニラで有名なタクシーのボッタクリはないし、街にゴミがないというのも好印象だった。
これは彼が市長時代に凶悪犯罪を劇的に減らし、ダバオを東南アジアで最も平和な都市にするという公約を実現したことの現れだと思う。強力なリーダーシップがあったからこそできたことだろう。なので私はドュテルテ大統領を有言実行の人とみている。
ただ個人的に気になるのは、母方の祖父が中国人だったことや大学時代の恩師が毛沢東主義者だったことがあるのかもしれないが、中国に対してやや融和的なところ。
移住先と考えているフィリピンが中華圏に入らないことを切に望んでいる。