7月24日に中国が打ち上げた運搬用ロケット「長征5号B」の残骸がフィリピンのミンドロ島沖で漂っていたのを、地元の漁船が見つけ回収した。
当初中国はロケットの一部が剥がれ落ちたが、大部分は大気圏で燃え尽きるだろうと説明していたが、31日になってフィリピン近海に落下する可能性が高いと情報を訂正したらしい。
いまのところ被害は確認されていないようだが、もし海上ではなく市街地に落ちていたら大きな被害が起きたに違いない。
フィリピン宇宙局は、問題の落下物は31日午前0時55分頃にパラワン島沖のスールー海に落下したと発表しているので、中国が落下可能性の情報発信をしたのは落下後ということになる。
何かにつけて自分に都合の悪い情報は開示しない中国らしい。
中国のロケットからの落下物事故は今回が初めてではない。2020年5月にはアフリカのコートジボアールの村に落下し建物が損傷したという事件も起こっている。
中国はアメリカに追いつけ追い越せとばかり、自国単独での宇宙開発に力を入れているが、安全面をふくめ他国に対する配慮に欠けているようだ。
ただでさえ、地球の軌道上にはたくさんのデブリとよばれる宇宙ゴミが漂っている。スペースデブリは宇宙開発の負の遺産だが、日米欧は新たなロケットでは切り離した部分を制御しながら大気圏に突入させて燃え尽きるようにしデブリを出さない対策をとりはじめている。
なにかと問題の多い中国だが、とにかく周りに迷惑をかけないようにしてほしい。