フィリピンで家を建てる予定なので、フィリピンの住宅事情をいろいろ調べている。
コロナ禍で経済状況が大変になっているフィリピンだが、コンドミニアムを除いた住宅価格については上昇を続けている。
コンドミニアムは外国人でも購入できるため海外の投資家が購入しているケースが多いのでコロナ禍で購入する人が減っていることが原因だ。
一般に景気が悪くなると住宅価格は横ばいか下がると思うのだが上がり続けているのは何とも不思議だ。
フィリピンの国内経済は良くないものの、GDPの10%程度を占める海外で働くフィリピン人(OFW)からの送金が続いていることもあるのか物価も年間4%以上上がっている。
フィリピン海外雇用局によると昨年OFWとして出国したフィリピン人の数は約55万人で、一年前から比べると74.5%に減っている。
そんな中にあってもフィリピン中央銀行は送金額が昨年よりも4%増加すると予測している。
海外で働くフィリピン人は家族のために働いていることもあり、貯金を取り崩してでも送金額を増やすとみているからだ。
実際には予測を上回って6月の増加率は6.7%となっている(Sun Star Cebu)
そんなこともあって海外で働くフィリピン人が家族のために家を購入しているために住宅価格が上昇しているのだと思っていたが、それだけが原因ではないそうだ。
最大の理由は住宅ローンの利率が下がっていることらしい。
フィリピンの政策金利は2%に下がっており、これに伴い以前は10%程度だった住宅金利も6%台になっている。
つまり毎月のローンの支払いが同じでもワンランク上の住宅を買える。そうなると住宅販売を手掛けるディベロッパーもそれなりの家を販売するようになったため個々の住宅価格が上昇しているということらしい。
こうした現象は特にマニラ近郊やセブなど人口が集中している都市圏に顕著に表れている。
ところでフィリピンの住宅事情でびっくりしたのが持家率だ。
JICAによるとフィリピン全体の持家率は80%を超えている。ちなみに日本は60%でしかない。
マニラ首都圏に限って言えば持家率は60%で、日本と違って若年層のボリュームが大きく都市化が進むフィリピンでは住宅需要がこれからさらに増えていくので、住宅価格は今後も上昇していくことは間違いないと思う。