フィリピンの住宅事情について(3)

中間層が増えてきたこともあるのか、フィリピンの住宅デザインにも変化がでてきた。

従来の家のイメージは下のような家だ。

これもなかなかしゃれた感じの家で一階と2階の塗装の色が違うしモダンな家で素敵だ。

一方最近増えてきたのが下の写真のような家だ。

日本でも見かけるタイプのデザイン住宅で、これからはこうした家が主流になる気がする。

陸屋根と呼ばれるフラット式屋根の家なので屋上をベランダとして利用できるメリットがある。
私は高所恐怖症で高いところは苦手だが、見晴らしがよいのは気持ちがいい。
ただしマンションの最上階と同じで屋根裏の空間がないのでどうしても蒸し暑くなるのと、施工がしっかりしていないと雨漏りの心配がある。

もっともフラットなつくりなので、万一の時には自分で防水補修ができる点はメリットかもしれない。

このように家の外観デザインは変わってきているものの、間取りを見るとフィリピンらしさは健在だ。

まずバスルームは平屋でも最低でも2つ、2階建てだと1階に1つ、2階に2つあるケースが多い。
日本だとトイレと浴室は分かれていて、それぞれ一つしかない住宅が多い。
フィリピンの住宅は主寝室(マスターズ・ベッドルーム)専用のバスルームがあり、家族用に別に1つ用意されている。
来客用のベッドルームを確保している家だとさらに来客用のバスルームがある。
バスルームにはシャワーとトイレがセットになっていてバスタブがないのが標準だ。

日本の家にはキッチンは一つだがフィリピンではキッチンが2つある。
1つは普通のキッチンで、屋外や半屋外にあるダーティー・キッチンと呼ばれている下の写真のようなキッチン。


なぜ二つあるのかというと、それぞれ使用目的が違うからだ。
ダーティー・キッチンは煙やにおいがする料理をするときに使う。
メイドを置いているような家だと、室内のキッチンはほとんど使われず飾りになっているところもあるらしい。

日本でも部屋に匂いがつくのがいやで家で焼肉はしないなんていう家庭もあると思う。だからダーティー・キッチンは日本にもあると便利だろう。

ある程度の広さがある家にはゲスト用のベッドルームがある。
日本でも客間と呼ばれる部屋があったものだが、最近は家族用のリビングに置き換えられている家が多い。

家族の交流を大切にするフィリピンではゲスト用のベッドルームは健在だ。

逆に日本にあってフィリピンにないのが玄関ホールだ。
フィリピンの家は玄関のドアを入るといきなりリビングになる。
靴を脱いで家に入るという習慣がないのでそういう作りになっているようだ。
ただ日本人の感覚からするとちょっと落ち着かない。

私がフィリピンに家を建てる際には、フィリピンの住宅の良さに少しだけ日本的な要素(玄関ホール)や浴室のバスタブを取り入れたい。

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