フルムーン

一昨日は中秋の名月だった。ただし満月となったのは昨夜10月2日。暦の関係で今年は1日ずれたらしい。

写真は10月1日に自宅のベランダから撮ったものだが、私にはほぼ満月に見える。

妻に声をかけて月を見せるがあまり興味はないようで、日本では団子とススキを備えて月見をするという話をしたら、団子ってなんですか?と聞かれた。もっとも月見に団子なんて習慣は廃れてしまっているが。

中秋の名月に観月をする習慣は平安時代に中国から伝わったもので、いまでも中国では中秋節として祝われている。日本では団子だが中国では月餅を食べたり、親しい人に送ったりしているそうだ。

いまの時期は里芋や米などの収穫が終わるころで、収穫を祝うという意味もあるようだ。

常夏の国のフィリピンでは秋が収穫の季節という概念がないので、月を観るという習慣もないので妻が満月に興味を示さなかったのは無理もないのかもしれない。

ところでフルムーンというと、JRがまだ日本国有鉄道だった40年ほど前に売り出された「フルムーン夫婦グリーンパス」のコマーシャルを思い出す。妻役の高峰三枝子(当時63歳)と夫役の上原謙(当時72歳)が温泉につかっているコマーシャルは話題になった。ちなみにナレーションは城達也。

驚くことにこのフルムーン夫婦グリーンパスは今でも売られている。夫婦の年齢合計が88歳以上なら利用できるのも当時と同じだ。

さらに驚くことはその値段だ。当時のコマーシャルを見ると75,000円だった。現在の料金は84,330円。見かけ上の差は9,330円だが、40年前は消費税がなかったので税抜き価格で比較すると1,663円しか値上がりしていない。

総務省統計局は日本のデフレ期(2年以上物価の下落が続いた期間)は2001年から2012年と公表しているが、実感としてはもっと長いような気する。

それにしても40年前と比較してたったの1,663円しか違わないなんて、本当に驚いた。

新型コロナの経済政策としてGo to トラベルキャンペーンが始まっているが、これからの季節は旅行シーズン。我が家も妻と一緒にどこかに行こう。ちなみに私たちの年齢の合計は現時点で92歳なので、まぎれもないフルムーン夫婦である。

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