30年くらい前から理容室に行っていない。行かなくなった理由は髪を切ってもらっている間じっとしていなくてはいかないからで、その間自分が自分でいないような自由がないような気持がするからだ。まな板の上の鯉の心境みたいなもの。それに理容室に行った後、いかにも髪を切りましたという感じが嫌だった。
髪が伸びたと思ったら自分でハサミを使って切るようになった。たまには失敗することもあったが髪は伸びるものなのであまり気にしないようにしていたし、いつも同じヘアスタイルなのでだいたいどの程度切ればよいかわかっているので問題ない。
ところが妻と一緒に暮らすようになって、私が時々ハサミで髪を切っているのを見て「自分に切らせて」を言ってくるようになった。それでここ数カ月は任せるようにしていた。
それからはちょっと伸びたところを私が自分で切ろうとすると「私が切るから」というのが常態化していたのだが、先日ヘアカッターを買ってほしいといってきた。どんなものかと聞くと電動バリカンだという。Amazon で調べたらしく2,000円くらいであるからという。そこで自分でも調べたが2,000円のものは聞いたことないメーカーだったので、値段も手ごろなパナソニックのものにした。
買ったはいいものの電動バリカンなので、ちょっとした懸念があった。というのもフィリピンの男性の髪形は刈上げスタイルがほとんどで、いわゆる長髪は少ない。なので刈上げスタイルになってしまいそうだと思ったのだ。
昨日届いたので、さっそく充電してカットしてもらうことにした。とてもキレ味が良いのでカットしてもらっている間もストレスはなかったし、妻も気に入ったようだ。
出来映えは・・・、後頭部はすっきりしてなかなかいい感じだった。ところが右がわの側頭部、耳のすぐ上あたりは明らかに切りすぎで地肌が見えている。「こめんなさい」と言われたが後の祭り。まあ髪は伸びるものだから許すことにした。次回はもっと腕を上げてほしいと願っている。