6月5日、ニノイアキノ空港に新型コロナのワクチン39万個が届いた。
送り主はリトアニア政府でフィリピン保健省が受け取ったそうだ。
リトアニアは1940年にソビエトに併合されていたが、1990年に独立し今は欧州連合の一員だ。
北欧バルト海に面したリトアニアはフィリピンから遠く離れた国だ。多くのフィリピン人が外国で働いているが、おそらくリトアニアまで行くフィリピン人はそう多くないと思う。
リトアニアとフィリピンにつながりがあると思えない。なのでリトアニアが39万個もの新型コロナのワクチンをプレゼントした理由がよくわからない。
残念ながらフィリピンのニュースサイトでは事実関係のみしか書かれていない。だからこれから先は私の単なる憶測でしかない。
リトアニアは長くロシアとソビエトに虐げられてきた。それだけに独立を脅かす国家に対しては厳しい態度をとっている。
権威主義で言論の自由もなく、およそ人権という言葉は辞書にないという態度のロシアや中国。この2つの国をリトアニアは脅威を与えている国として名指し、「人権や民主的自由のいかなる侵害にも積極的に反対していく。ベラルーシから台湾まで世界中で自由のために戦う動きを擁護していく」と述べている。
そしてその言葉通り、台湾に貿易事務所を開設してしている。
当然のことだが中国はこうしたリトアニアの動きに対して猛然と反発しただけでなく、リトアニアへの経済制裁をしている。
2021年リトアニアは台湾に新型コロナワクチンを2万個送っている。
今回のフィリピンへのワクチン提供はこの流れを汲んでいると私は思っている。
このブログでたびたび書いている通り、中国はフィリピンの領海を勝手に侵害している。
だからリトアニアにしてみれば、フィリピンを応援するのは当然のことなのだろう。
リトアニアの反中国の動きに対して中国共産党の機関紙「環球時報」の社説にはこんなことが書かれていたそうだ。
リトアニアなんてちっぽけな国は「ゾウの足の裏にいるネズミか、ノミでしかない」
そんなことを平気でいう中国共産党にはこの動画をぜひ見せてあげたい。