ワニの口、広がる経済成長率の差

日本経済研究センター(JCER)によると、フィリピンの2022年度の国内総生産(GDP)伸び率を7.1%と予測している。22年の成長率はアセアン4カ国(フィリピン・タイ・マレーシア・インドネシア)の中では最高だ。ちなみに4カ国のGDP予測は、マレーシアが5.4%、インドネシア4.7%、タイ3.5%で、4カ国の平均成長率は4.4%とのこと。
フィリピンの2022年成長率予測7.1%はフィリピン政府の成長率目標の7~8%をなんとかクリアする数字だ。
日本経済研究センターは2023年度のフィリピンの成長率については5.1%と従来の5.9%からダウンすると予測している。

日本のGDPの伸び率は何年も世界最低クラスで、2022年が1.9%、2023年は0.9%という予測になっている。

もちろん日本とフィリピンのGDPの額ではまだまだ大きな差がある。日本のGDPは5兆650億ドル、一人当たり3万8448ドル。一方フィリピンのGDPは3768億ドル、一人当たり3485ドルだ。
額はともあれ、日々成長している実感があるのとないのでは将来に対する考え方は全く違う。
将来、より豊かになると思えば今の生活が多少苦しくても我慢できるし、明るい気持ちで生活できるものだ。

私が生まれた1956年は「もはや戦後ではない」と経済白書に書かれた年だ。そのころの日本は敗戦から10年しかたっておらずまだまだ貧しかった。漫画「三丁目の夕日」の舞台は昭和30年代なので、あの漫画を読むと幼かった時の記憶が甦ってくる。
今から思えばほんとうに貧しかった。ただ自分が小さかったせいもあると思うが、世の中も明るかったイメージがある。
年配の人がフィリピン移住に憧れるのも、貧しくても心は豊だった小さかった頃の記憶にある生活がまだフィリピンには残されていると感じているからだろう。

停滞する日本と成長していくフィリピン。フィリピンが日本よりも豊かになる日が来るのは、そう遠くないかもしれない。


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