今年のストリートダンスは中止

毎年1月の第三日曜日に実施されているフィリピン最大のお祭り「シヌログ」
多くの人が参加して繰り広げられるメインイベントのグランドパレード中止が発表された。

シヌログのグランドパレードの見物客は海外からの観光客も含め100万人とも200万人ともいわれている。
写真などを見るとラッシュ時の電車の中と同じように立錐の余地もないくらいの人出だ。
これだけ人が多いと当然スリなど不行き届きなことをする輩も多いので注意が必要で、さらにここ数年はテロを警戒するために携帯電話の通信ができないようにしている。


「シヌログ」というのはビサヤ語で「水の流れのような」という意味らしく、パレードのダンスもそんな感じで市街地を練り歩くようだ。

シヌログの主役はサント・ニーニョという聖なる幼子キリストの像だ。
マゼランが世界一周の航海でセブ島にたどり着いたときにセブ島の女王にこの像をプレゼントしたものだといわれている。
マゼランはセブ島の対岸のマクタン島(セブマクタン空港のある島)の王ラプラプとの戦いで戦死している。
そしてセブの王はマゼラン一行の幹部を宴会に呼び寄せ殺害した。
このことが遠因となって、1565年4月27日にスペインの征服者レガスピによってセブの町に火が放たれ破壊される。

その破壊された町から奇跡的に無傷のサント・ニーニョ像が発見され、それ以降セブの守り神となりサントニーニョ教会に保存されているだけでなく、この像をモデルにしたサントニーニョ像は家庭にも守り神のように置かれている。
かくいう私の家にもサントニーニョ像がある。はじめてセブに行った1981年にお土産として買ったもので、玄関に「阿吽の獅子」と一緒に飾っている。

写真のようにキレイどころの娘さんたちがいくつものグループに分かれてサントニーニョ像を掲げてダンスをしながらパレードをするので、一度は見てみたいと思っている。

昨年は妻の父が亡くなり、ちょうどシヌログ祭の時期にセブに行ったのだが、どのホテルも満員だった記憶がある。

年末からセブシティーでもコロナウィルスの感染者が少し増えてきていることもあって、今年のパレードは中止。ただしパフォーマンスは実施するのでネットで楽しんでほしいと今日のSUNSTAR新聞では呼びかけている。

祭りの実行委員長のセブ市のラマ副市長もシヌログ祭は中止しないが100%仮想で行うと発表している。
もっともセブの多くの人は混雑の中パレードを見に行くよりテレビで見る方が良いという。
一番残念がっているのは、この混雑に乗じてスリをしようと思っていた人かもしれない。



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