10月21日に1ドル150円という節目を超えた為替相場だが、その後1日もたたずに151円94銭まで円安が進んだ。
ところが22日未明にいきなり146円16銭まで円が高くなった。
日本政府は公式に認めていないが為替介入したようだ。
9月22日に日本政府は為替介入して140円近くまで円高になったものの、その後も円売りドル買いは進んで介入から2週間で介入前の水準まで値を下げた。
今回の介入から元の151円94銭まで戻すのにどのくらいの日数かかるかわからないが、おそらく10日もかからないのではないかと思っている。根拠があるわけではないが、経済社会状況が大きく変わっていないことを考えると円安ドル高の流れは止められない。
11日から海外の個人の旅行解禁と入国者数の制限を撤廃したが、日本に来る航空機の増便には時間がかかるので海外からの旅行客の円買いは限定的だろう。
今回の為替介入を最も喜んでいるのは金融機関やFX投資家だ。円が安くなった時点でドルを買っておけば、放っておいてもドルは高くなるので差益が得られるからだ。彼らからすれば確実に儲けられる機会を日本政府が作ってくれたというわけだ。
そう考えると今回の為替介入にいったいどんな意味があるのだろう。
*2国間のマネタリーベース(通貨供給残高)の比率で大まかな為替レートの傾向がわかるという説がある。マネタリーベースというのは市中に流通している現金と市中銀行が中央銀行に預けている当座預金を合わせたものだ。
8月の日本のマネタリーベースは659.7兆円。アメリカは558.2兆ドル。
この説によると1ドルは118円18銭になる。(659.7兆円÷558.2兆ドル)
日米の金利差を考えても、やはり円は安くなりすぎているかもしれない。