円さらに下落。喜ぶべきか悲しむべきか。

昨日円が1ドル150円という値をつけた。1990年以来32年ぶりの150円だ。

1ドル126円になったのを嘆いたのは今年の4月のことだ。それからわずか半年で更に24円、率にして19%も安くなった。
フィリピンペソに対しても円は値を下げていて1万ペソは25,490円となった。ペソもドルに対して値を下げているので円は5.1%の下落ですんでいる。とはいっても1万ペソは1,240円も高くなったので仕送りをしている身にとっては痛い。

ドルは他の通貨に対しても値上がりしているが、円に対してが最も値を上げている。
理由は日米の金利差をあげている報道が多いが、それだけが原因とは思えない。というのはアメリカと同じように金利を上げているイギリスやEUそしてフィリピンの通貨も軒並み値を下げているからだ。

財務省は投機によるものであれば為替介入を辞さないといっているが、むしろエネルギーや食糧価格の上昇にともないドルを調達する実需に加え、個人がドルを購入したり、アメリカ株を購入するために円をドルに換える流れが大きくなっているのではないかと思う。

岸田総理は盛んに「投資による資産所得倍増」を謳っているが、日本株はずっと低迷を続けており、日本株に投資しても金融資産が増えない。となると成長している米国株へ投資して金融資産を増やそうとするのは自然な流れだ。つまり岸田総理の資産所得倍増計画は円を売ってドルを買えといっているようなものだ。

円安にはメリットどデメリットがある。輸入価格が上がるので、食料やエネルギー資源を海外から調達する際にはこれまで以上にお金を払う必要がある。一方輸出する場合、相手国がより安い価格で購入できるので日本製の商品は価格競争力が高まるから輸出が増えるというメリットもある。このメリットがいわゆる通貨安は近隣困窮化政策といわれる所以だ。

かつて日本は世界の工場といわれていた。その当時は円安のメリットは大きかったが、すでに多くの企業は海外に工場を移しているのでメリットよりもデメリットが目立つようになっている。
現に9月の貿易額は輸出が8兆8186億円で輸入が10兆9126億円で、貿易収支は2兆939億円の赤字となっている。

私の個人レベルではフィリピンへの仕送りに関してはデメリットだ。一方ドル預金に関しては購入金額の平均が108円なので1ドル150円で計算すると38.9%資産が増えたことになる。

日米の経済状況を考えると、当面は円安が続くと考えるのが一般的だろう。1ドル160円が次のターゲットになりそうで、それ以降は円高に振れる可能性がある。
だから、160円になったら手持ちのドルを売ろうと思っている。

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