大学の学費について

1990年代のバブル崩壊以降の日本経済は「失われた30年」といわれるほど低迷状態が続いている。
この間物価は上がらず、平均賃金はむしろ低下している。
にもかかわらず、大学の学費に限っては上昇する一方だ。

私が大学に入学したのは昭和50年(1975年)で、当時の授業料は国立大学が36,000円、私が通っていた大学は私立だったが10万円程度と記憶している。途中値上げがあったがそれでも年間15万円を超えなかった。だから大学3年と4年の授業料は春と夏のアルバイトで自分で支払うことができた。

それが昨年2021年は、国立大学の授業料が約54万円、それに実習等の費用約6万円を加えると年間60万円だから、じつに16倍になっている。
私が卒業した大学を見ると、授業料75万円、施設費17万円、教育充実費が4万円、合計年間96万円になっている。国立大学に比べると値上がり幅は小さいものの、それでも6.4倍だ。

地元の大学に通うのなら親の収入でなんとか支払える金額だが、地方の学生が首都圏の大学に進学したとすると住居費が最低でも7~8万円はかかるので年間200万はかかる計算になる。同じ年頃の子供が2人いたら完全にアウトだ。

そんなこともあって、大学生のほぼ半数が奨学金を利用しているそうだ。
奨学金は学生本人が借りて、在学中は利息がかからず卒業後就職してから返済するものだから利用しやすい。
一方で社会人としてスタートするときに借金があることが精神的に重荷に感じる人もいるようだ。

ところで気になるのはフィリピンの大学の費用だ。
フィリピンは高等学校卒業までが義務教育で、公立の学校に行っている限りは授業料は無料。
ただ富裕層は学費はかかるが教育が充実している私立の学校に通わせるのが一般的で、私立の高校を出て有名国立大学や私立大学に進学し、その後収入の高い大手企業に入り管理職となっていくのが典型的な出世コースらしい。
妻がそこまで考えているかどうかわからないが、子供たちは私立の学校に行かせたいといっている。

私立の高校の授業料はそれほど高くないようだが、大学となると結構な学費がかかる。私立大学の年間授業料は約15万~25万ペソ(大学や学部による)、日本円で36万~60万円だ。
日本に比べるとまだ安いが、一般的なフィリピン人の収入を考えるととんでもなく高い。
今家を建てているのはセブ島の片田舎なので、学費以外にも寮費などの生活費もかかるから結構な出費を覚悟しておかなければならない。

子供たち二人は少なくとも大学まではいかせたいので、いまから学費の準備も始めなければならない。
親として出来ることは子供たちが勉強に集中できる環境を整えることだ。
そして子供たちにはぜひ授業料がかからない国立大学や州立大学に進学してもらいたい。

調べるとフィリピンにも奨学金制度があって、そのほとんどが返済の必要のない給付型らしいので、そうした制度の利用も視野にいれて考えていこうと思う。

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