かつて日本では「歳をとったら年金で悠々自適、のんびりと暮らす」と考えていた人が多かったのではないだろうか。
かくいう私もそう思っていた。
年金は少なくとも20万円はあるだろうとおもっていた。
その認識が変わったのは50歳を過ぎ、年金定期便が初めて届いた平成21年(2009年)のときだ。その定期便に書かれていた60歳時点で受け取る予定の年金額があまりにも低くく愕然とした。
当時の母親は遺族年金を受け取っていたが、その金額と比べて私が将来受け取る年金はそれをほんのわずかに上回っていただけだった。
その後、定年以降も再雇用制度で65歳直前まで働き、現在もアルバイトを続けて厚生年金を払っているので男性の平均年金額18万円を少し超えるまで受給額は増えた。ただし所得税や住民税、介護保険料などを控除されると手取りはぐっと減ってしまう。
住居費(管理費・修繕積立金)や固定資産税、食費、水光熱費、通信費などの必要経費とその他(娯楽教養費、被服費など)を年金で賄うことはできるが、旅行などの費用は相当やりくりしないと厳しい。
もっとも年金が高齢となって働けなくなった時の失業手当だと考えれば、現在受給している年金は一応その用を達している。それ以上の生活を望むのなら、そこは自分で用意してくださいということなのだ。
老後は年金だけで悠々自適はもともと無理だから、多くの人が老後のために貯金をしてきたのだろう。
というわけで、働けるうちは働いて老後資金を少しでも増やしていこうと思っているところだ。