弱い者いじめはやめよう

11月下旬、フィリピン軍が中国のロケットの残骸を海上で発見しボートでけん引していたところ、中国の海警船がけん引していたロープを切断し奪取したという出来事があった。

中国はフィリピン軍のボートに連絡し、友好的に引き渡されたといっているそうだ。
傍若無人な中国がそんなことをする筈もなく、相手が弱いとみると強引に奪取したというフィリピン側の発表が正しいと思う。

習近平がオバマ大統領にむかって「太平洋の東半分はアメリカ合衆国、西側半分は中国のものとしよう」といったことがある。
中国は覇権主義の国家観をもっており、周辺国はすべて属国と思い込んでいる。
歴史上たしかに中国の王朝はアジアの中心的勢力だったし、周辺国は冊封体制下にあった。
日本も統一国家となる前(5世紀ごろまで)はその影響下にあったが、6世紀以降は離脱し独立した国として中国と対峙している。

習近平は過去の中国の栄光を取り戻したいのだろうが、そもそも共産党一党支配の現在の中国が建国されたのは1949年。わずか建国73年という短い歴史しかない国だ。そういう観点からいうと未熟な国だ。
そういう国が急激に力を持つようになったのだから夜郎自大となっても仕方がないのかもしれない。
とはいえ、国際間の協調がなによりも求められている21世紀に、力を背景とした覇権主義を唱え実現使用するのは時代錯誤も甚だしい。

中国が自分の領海だと主張している海域

中国が歴史的に自国の領海だと主張しているが、国連海洋法条約に基づいて行われた仲裁裁判では、歴史的に見て中国に権利があるという主張は認められないという判断が示された。
こうした判断のもと、中国の海警船などの公船が、この海域で操業するフィリピンの漁船を追い回したり締め出したりする行為は国連海洋法条約に違反すると述べている。

中国はこの結果には満足せず、仲裁判断文書は単なる役に立たない紙屑だとして無視している。
そしてこうした問題は二国間の話し合いで解決するものといっている。二国間交渉となると力を持つものが強い国が有利なのは明らかだ。

中国よ、いいかげんイジメはやめて、大人の国になりなよ。


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