強烈、唐辛子マン登場!

昨日の夕方のこと。オーブンレンジの中で何かが勢いよくポンポンとはじける音がした。
なにごとかと思って扉を開けると、とんでもない事態に。

一瞬で鼻やのどに強い刺激が襲い掛かってきた。
のどがヒリヒリするわくしゃみは出るわ鼻水は出るわの大騒動に。
妻が冷凍していた唐辛子をオーブンレンジで解凍したのが原因で、唐辛子の中の辛み成分カプサイシンが急激に温められて水蒸気爆発を起こしたのだ。

たった3個の唐辛子にあんなパワーがあるとは思わなかった。

かつてインカ帝国が、乾燥した唐辛子に火を放ってスペインの軍勢を撃退したという記録もあるくらい威力がある。

いまでも郵便局員が獰猛な犬を撃退するのに使ったり、警察官が暴動を鎮圧するために唐辛子スプレーを使っている。

幸いにも我が家の騒動はすぐに収まったが、本当にびっくりした。

タイ料理が辛いのは有名だが、フィリピンの料理はそれほど辛いというイメージはない。ただ妻は辛い物が大好きだ。外で担担麺を食べるときには激辛を注文している。私は辛いのはすこし苦手だ。
そんな妻でも昨日の唐辛子水蒸気爆発の刺激は堪えたようだ。

唐辛子は南アメリカ原産で、コロンブスによって世界に広められた。日本では中国から渡ってきたので唐辛子とよんでいるが、ギリシャ人は胡椒と区別するためにチリ・ペッパーとよび、ハンガリーではパプリカ、イタリアではペペローネとよんでいる。呼び名は違っても世界中で愛されている香辛料の王様だ。

唐辛子はヒリヒリする刺激のある辛さが特徴で、日本語では辛さを表すのに中辛とか激辛とか言っているが、辛さを表すものにスコヴィルという単位があるらしい。
人間の舌で辛さを判断するのは簡便な方法だが、刺激が強すぎると舌がだめになるし、個人差があるので客観的な辛さの測定には不向きだ。

そこで科学的に辛さを測定する機械が発明されている。
辛さの元はカプサイシンという成分だが、このカプサイシンには蛍光するという性質があるらしい。蛍光が強ければ強いほど辛い、つまり蛍光の強さが辛さの強さということだ。辛さは測れないが蛍光の強弱は測定可能だ。
ちなみにピーマンは0スコヴィル、タバスコが20,000から30,000スコヴィル、日本の熊鷹が125,000~150,000で、激辛の王様ハバネロはなんと300,000スコヴィルだ。

妻ならハバネロをちょっと舐めるくらいなら大丈夫かもしれないが、わたしは臭いをかぐだけで卒倒しそうだ。というのは冗談で、カプサイシンは無味無臭。辛い物が不得手な私でも臭いをかいでも平気、のハズだ。



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