愛おしい時間たち

昨日は妻と初めて会ってから4年めとなる記念日だった。
去年はケーキだったが、今年は妻の要望で銀座アスターのテイクアウトで祝うことになった。

出会って4年しかたっていないが、その間にいろいろな想い出ができた。それだけ濃密な時間だったのだと思う。

内田樹氏が「家族の持続期限」という文章を書いている。曰く「いつまでも一緒だと思うから、それぞれの人間的欠点も目につく。いっしょに過ごす時間がわずかしかないと思えば、だいたいの欠点は笑って受け容れることができる。過ぎていく時間がかけがえのないものであることも身にしみて分かる」
だから家族であっても持続期限を設けたほうがよい。そうすれば親離れ、子離れもスムーズにできる。夫婦だって同じで、「いっしょにいる間どれほどこまやかに慈しみ合うであろうか」と結んでいる。

シニアと呼ばれる年齢になった私も、残された時間(期限)を自然と意識するようになった。
若い時は日々を生きることで頭がいっぱいだった。それが今では、何気ない生活も、ほどなくかけがえのない想い出になるという自覚の中で生きている。

晩年寝たきりとなった母が、「私には想い出しかない」といっていた。
その意味が私にもだんだんと分かりはじめてきた。

妻と出会って4年。妻と一緒に暮らす中で幸せな想い出がたくさんできた。ありがたいことだ。

まだ簡単にこの世からおさらばする気はないので、これからも妻と一緒の時間を大切に積み重ね、愛おしい時間を増やしていきたい。

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