春の珍事(アカデミー賞授賞式で)

第94回アカデミー賞授賞式が昨日あった。

日本では「ドライブ・マイ・カー」が4部門でノミネートされ、国際長編映画部門で受賞が脚光を浴び大きく報道されている。

アカデミー賞は、映画製作に携わるアカデミー会員の投票で作品賞や監督賞を選ぶもので、数ある映賞の中でももっとも影響力のある賞だ。

アカデミー賞の授賞式には数多くの映画スターや有名監督が出席することもあり、この時期の一大イベントにもなっている。

そんなお祭りのようなイベントで、あろうことか今回主演男優賞に輝いたウィル・スミスがクリス・ロックを平手打ちしたという事件があった。

原因はドキュメンタリー賞のプレゼンターとして登壇したクリス・ロックが、脱毛症で闘病中のウィル・スミスの妻の坊主頭を揶揄するジョークを言ったことだ。
これに腹をたてたウィル・スミが司会中のクリス・ロックに平手打ちをお見舞いしたというわけだ。

生中継中の出来事で、見ている人の中には演出の一部かと思った人もいたそうだ。
私はロイターの映像を見たが、司会中のクリス・ロックにつかつかと歩み寄って一発平手打ちをしたウィル・スミスが、自席にもどってクリス・ロックに放送禁止用語(禁止用語なので無音だから具体的に何を言っていたかは不明)を使って罵声を浴びせていた。

この出来事に対してはさまざまな意見があるようだ。
わたしとしては、ウィル・スミスがもう少し大人の対応ができればよかったとは思うが、衆目のなかで(全世界の人が放送を観ている)、闘病中の妻を揶揄されたら抗議の意思を表明するのは当然だと思う。夫なら平手打ちの一発ぐらいかましたくなるのは理解できる。
もっとも実際に行動に移すかどうかはは別だが。

アカデミー賞を主宰するアカデミー協会は「いかなる暴力も容認しない」とツイートしたらしいが、その暴力をネタにした映画を山ほど作っているのだから、なんとも皮肉な話だ。

さて今回のアカデミー賞の作品賞を受賞した「CODA」は気になる作品だ。
日本でも公開中なので観に行きたいと思っている。

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