フィリピンの調査機関SWS(ソーシャル・ウェザー・ステーションズ)が今年4月19日から27日にかけて行った調査結果が発表された。
この調査は、メトロマニラ、ルソン地方、ビサヤ地方、ミンダナオ地方のそれぞれ360人、計1440人に対面で行われ、今後1年間に生活の質が良くなるかどうかを調べたものだ。
調査結果では、44%の人が良くなると回答し、悪くなると回答した人はわずか4%、変わらないは39%だった。
「良くなる」から「悪くなる」を引いた個人楽観度は39と高くなっている。前回の調査(2021年12月)より3ポイント、パンデミック前(2019年12月)に比べると5ポイント低下しているらしい。
それでも楽観的な人が多い。
特にルソン地方は47、メトロマニラは43ポイントと高い。一方ビサヤ地方は前回よりも5ポイント高くなったものの25ポイントなのでやや低いのが気になる。
学歴別では、大学・大学院卒業者は50,中学卒業、専門学校卒業、高校卒業、専門学校卒業、大学入学者は45,中学・高校修了者が30となっていて、学歴が高いほど楽観的な見通しを持っているようだ。
1年前と比べて生活の質の変化を訊いたところ、悪くなったが34%、良くなったが32%、変わらないが34%となっている。
悪くなったと答えた人が3分の1もいるのに、将来は良くなっていくと答える人が多いのがいかにもフィリピンらしい。
同じ状況で日本人を対象に調査したら、多くの人が悲観的な回答をすると思う。
この調査で気になったのが、「この3か月に1度は空腹で食べるものがなかったことがあるか」という質問に12.2%が「はい」と答えていることだ。これをフィリピン全体で推計すると310万人にのぼるとSWSは報告している。
それでも悲観的にならずに前向きに生きるフィリピン人。ここは日本人が見習うべきところだと思う。