さらばデング熱(武田薬品工業のワクチン)

セブ島を含むビサヤ地区ではデング熱が流行している。
8月6日までに11,475人がかかり72人が亡くなっている。感染者の内訳はセブ市が2062人、ラプラプ市1244人、マンダウエ市621人、セブ地方4430人、ボホール島が1759人、ネグロスオリエンタル1197人となっている。

デング熱は蚊が媒介するウィルスによって感染する病気で、熱帯地方を中心に年間3億9千万人が感染し、約2万人が亡くなっている。
いまのところデング熱の特効薬はないようで、感染して症状(高熱、頭痛、嘔吐、腹痛など)がでたら、ひたすら対症療法で症状が治まるのを待つしかないようだ。だいたい症状がでて一週間ほどで回復に向かうが、その間に出血や呼吸困難で亡くなる人(特に子供や妊産婦)も多い。

ウィルスが原因なのでワクチン接種で重症化を防ぐことは可能で、フランスのサノフィ・パスツール社のワクチンが発売された。ところが2016年にフィリピンでこのワクチンを2歳から16歳に集団接種したところ、未感染者は逆に重症化し死亡するという事態が発生。これを受けてフィリピン政府は翌年2017年末にワクチン接種を中止し、2019年にはこのワクチンを永久に使用禁止することになった。

日経新聞によると、武田薬品工業が新たなデング熱ワクチンを開発。臨床治験が終了し、近くインドネシアで承認される見通しで、アジアやヨーロッパでも承認申請をしているそうだ。
記事によると、大きな副作用もなく4歳以上から使用でき、2回の接種で61%発症を抑え、重症化による入院を84%防ぐ効果があるとのこと。
すでに武田薬品工業はドイツに約180億円かけて専用の工場をつくっており、委託生産も含め年間5000万回分のワクチンを製造する体制を整えたそうだ。

デング熱ワクチン接種では苦い経験をもつフィリピンだが、副作用の少ない武田薬品工業のワクチンは承認される可能性が高いと思う。
承認されたら我が家の子供たちにも接種させたい。


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