死ぬ時が一番金持ち、では意味がない

「人生で一番お金を持っているのは死ぬ時だ」といわれているのが日本人だ。
100歳になったお祝いにお金をもらった老女が、「何に使いますか?」と訊かれ、「老後の為に貯金します」と答えたというエピソードがあるくらいだ。

実際に各種調査の結果を見ると年齢が上がるほど保有する金融資産が増えている。
60歳代の中央値は700万円だが70歳代では800万円と100万円ほど増えている。(生命保険文化センター)
70歳代はすでに退職して年金生活をしている人がほとんどだろう。本来なら金融資産を取り崩しながら生活していて不思議ではないと思うが、逆に増えている。実際、金額の多寡は別にして、年金の一部を預貯金に回しているという話は珍しくない。

生きていくのにお金は必要だし、不測の事態になった時の備えもある程度は必要だろう。私を含め多くの日本人は心配性だ。そうは言っても死ぬ時が一番金持ちというのはいかがなものか。

自分が死んだあと、、残された家族のためにと思う人もいると思うが、子供たちが巣立っていれば自分の生活は自分でできるだろう。配偶者がいれば遺族年金などの社会保障もある。極端に言えば葬式代があればいいのではないかとも思える。

いうまでもなく、お金はあの世に持っていくことはできない。
お金は溜めるためにあるのではなく、人生を豊かにするためにある。とすれば元気に生きているうちに有意義に使って、死ぬときには使い切るぐらいがいいのかもしれない。

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