新しい巡視船フィリピンへ

昨日(2022年5月27日)、下関港からフィリピンに向けて新造された巡視船が出港した。
デュテルテ大統領と安倍元首相との間で合意された円借款で供与された2隻めの大型巡視船だ。

すでに日本は2016年から2018年にかけて44メートル級の沿岸巡視船10隻をフィリピンに供与しているが、今回の船は97メートル、ヘリコプターの発着が可能な甲板と格納庫も備えた大型船だ。
建造した三菱造船によると最高速度は24ノット(時速43㎞)で、航続距離4000海里(7200㎞)という高性能の巡視船らしい。

日本と同じようにフィリピンも周りを海に囲まれた国で、多くの船が行き交っている。
それだけに沿岸警備の重要性は高い。船の安全確保や遭難時の人命救助だけでなく、テロや海賊の取り締まりなど巡視船は重要な役割を担っている。

とりわけ南シナ海での中国による海洋進出は深刻で、スカボロー礁付近でフィリピンの漁船に異常接近しようとした中国の海警船に対して日本が供与した巡視船が間に入って漁船を守り抜いたという。

日本はマレーシアやベトナムにも巡視船の供与を行っているが、単に巡視船を供与するだけでなく海上保安庁は教育訓練プログラムも提供しているようだ。

1隻めの大型巡視船は2月にフィリピンに到着していて、植民地支配に抗戦した女性にちなみ「テレサ・マグバヌア」と命名されている。
2隻目の巡視船はなんと名付けられるのだろう。

【追記】 2隻めの巡視船は「メルコラ・アキノ」の名付けられた。
メルコラ・アキノはフィリピンでは「革命の母」とも呼ばれている女性。別名をタンダング・ソラといって、その名は生誕の地名となっている。

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