生涯学び、考え、発信しよう

「永遠に生きるかのように学び、明日死ぬかのように生きよ」という言葉がある。
アメリカの天文学者のマリア・ミッチェルの言葉らしい。
後にガンジーは「明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学べ」と順番を逆にして述べていて、こちらのほうが有名だ。

同じような言葉だが「学び続けよ、そして日々を大切に生きよ」というのと「日々を大切に生き、そして学び続けよ」では印象がずいぶん違うように私には感じられる。

私たちは世の中を自分というフィルターを通してみている。フィルターというのはそれまで生きてきた中で経験したことや勉強を通して学習してきた知識から出来ている。
ことばをかえると、フィルターはその人の価値観そのものといえる。

「日々を大切に生きる」というのは、その価値観の上に立って人生を大切に生きるということだ。とすれば、まずは学ぶことが重要だろう。
だから順番としては「学び」が先に来て「生きる」が後に来るほうがしっくりくる。

いずれにせよ、生涯学び続けることは大切なことだ。
人生100年時代といわれている。100年とはいかないまでも平均寿命は確実に延びている。
厚生労働省によると65歳男性の平均余命は20年だ。つまり85歳くらいまで生きるのが普通という時代になっている。

65歳を高齢者というのはWHOの定義らしいが、65歳になったらリタイヤして余生を暮らすというのではあまりにも早い。20年もの余生をただ漫然と暮らすわけにはいかない。
そんなこともあって、日本老年学会・日本老年医学会は高齢者の定義を75歳以上とすることを提言している。65歳から75歳までは準高齢者として、高齢期に備える準備期間とするという。
この考え方は非常に現実に即していると思う。

私は65歳なので、平均の85歳くらいまで生きるとすると20年という時間が残されている。
20年といえば、赤ちゃんが成人になるまでの時間と同じだ。
その時間を無為に過ごすのはもったいない。
そこで豊かな人生を送るためにも生涯学習が何より大切になってくる。

「長寿社会における生涯学習のあり方」(~人生100年時代 いくつになっても 学ぶ幸せ 「幸齢社会」~というちょっとべたな副題がついている)というレポートを文部科学省が出している。

なにかと批判の多い文部科学省のレポートではあるが、このレポートに関してはなかなかの出来だ。
「生涯学習」というと趣味や教養という意味でつかわれることが多く、自己完結型の学習と考えられがちだが、学びを社会に還元する循環型として捉えることで人生を豊かにするという考え方には大いに共感できる。

こうした考え方を参考に、わたしも生涯学習に取り組んでいこうと思う。

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