セブ島に移住するために購入した土地はピナマンガハンという町にある。
セブ市からは車で1時間20分くらいのところだ。
セブ島は南北に細長い島で、背骨のように山があってピナマンガハンはセブ市から峠を越えた西側に位置している。
対岸はネグロス島で、ピナマンガハンの隣のトレド市からフェリーが出ている。
田舎町なので公共の移動手段は限られている。
セブ市のサウスターミナルからバスが出ているくらいで、トレド市にはタクシーはおろかジプニーも走っていない。
一般の人はトライシクルやモーターサイクルを利用して移動している。
そういうところなので車は必需品だ。
日本では自動車が必要なところに住んだことはなかったので(転勤で熊本と鹿児島に住んでいたときは車が必需品だったが、会社の車で移動していた)、これまで車を買ったことがない。
セブ島に移住しなければ、これからも車を買うことはないと思う。
でもセブ島の移住先では車がないと何かと不便だ。
そこでフィリピンで車を買うならどんな車がいいか妻と話した。
フィリピンで走っている車はほとんどが日本車だ。
トヨタや三菱、ホンダの車のほかいすゞ自動車や日野などのトラックもふつうに走っている。
トヨタは一部の車種をフィリピンで生産していることもあり、購入するなら真っ先に検討するメーカーだ。
貧富の差が大きいフィリピンでは、値段の高い車が大きな顔をして走っている。
ランドクルーザや家族が多いので8人乗りのミニバンなどが人気車種だ。
うちは子供が二人なので普通の乗用車で十分だと思う。ただし買い物などでセブ市に出かけることもあるため峠越えを考えるとある程度の馬力があったほうが運転も楽だと思う。
物価の安いフィリピンだが車の値段は日本とほとんど変わらない。
むしろ輸入高級車はフィリピンのほうが圧倒的に高い。
日本の場合中古市場が整備されていて手ごろな値段の車が手に入るが、フィリピンで中古車を購入するのは避けたほうがいいらしい。見た目はきれいでも何かと問題のある車が多いと聞く。
なので新車を購入することになる。
妻と一緒に検討して、買うならトヨタのヴィオスがいいよねという結論になった。
ヴィオスはフィリピンで生産されているので価格も手ごろだ。
しかもセブ島で走っているタクシーで最も多いのがヴィオスなので、修理が必要な場合も部品も手に入りやすいのではないかと思う。
1500CC、5人乗りで無段階変則機のヴィオスの価格は日本円で200万だから決して安くはない。
日本で新車を購入する場合、本体価格に消費税や登録税、車庫証明に保険など諸費用がかかるが、フィリピンの場合そうした費用も含めた金額なので、200万円は安くはないが諸費用込みと考えるとそう高いともいえない気がする。
フィリピンで車の運転をするのは難易度が高い。
右側通行だし、信号は少ないし、トライシクルやモーターサイクルなども混在して走っている。さらに運転マナーも日本に比べるとかなりよくない。
まあピナマンガハンとトレド市周辺を走る分には問題なさそうだし、セブ市に買い物に行くとしてもSMシーサイド・モールまでは街中を走ることもないので私の運転でもなんとかなりそうだ。
移住はあと数年後だが、どんな家を建てようかとかどんな車を買おうかと考えるのは結構楽しいものだ。