袋詰め競争

スーパーへの買い物は夫婦で一緒に行くことがほとんどで、妻は食材を見ながら献立を考え買い物をしている。妻一人で行ってもいいようなものだが、ひとりだと困ることがあるらしい。

野菜や魚、肉類などは見れば何かわかるが、他の食材のラベルは日本語表示なのでその商品が何なのかわからない。だから私と行かないと困るらしい。

たとえばケーキを作ろうと思って小麦粉を買いに行っても、どれが小麦粉かわからない。ホットケーキミックス用のものは袋に写真が印刷されているので問題ないが、ふつうの小麦粉には写真がない。

日清製粉の袋にはカタカナでフラワーと書かれているので、妻もfurawaと読むことはできる。ただそれが英語のflourに結び付けられない。さらに同じ小麦粉でも強力粉と薄力粉があり、どれを買えばいいのか解らないのだ。

私は日本語は読めるのでそれが何かはわかるが、英語で何というのかまではわからないことが多い。まして薄力粉と強力粉の違いなどは全く知らなかった。だから本当に妻の役に立っているのかはやや自信がない。

まあスマホでちょっこと調べれば済むので、今では買い物にスマホは欠かせない。

買い物中のカゴは私が持ち、レジでの精算までは私の担当。

レジでの精算が済んで袋詰めをする台(この台をサッカー台というらしい。スポーツのサッカーではなく作荷台)に買い物カゴを置いた瞬間、妻と私の競争がはじまる。

妻は重たいものをどんどん自分の袋に入れようとする。どうも妻は私のことを思って、すこしでも重たいものをもたせないようにしているらしい。

ありがたいといえばありがたいのだが。しかし、私も日本男児。女性に重たいものを持たせるわけにはいかない。

そこで袋詰め競争が勃発するというわけだ。だから我が家の袋詰めはあっという間に終わる。

競争の勝敗は、まあまあ五分五分といったところ。でもその競争が終わったら仲良く家に帰るのでした。めでたしめでたし。

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