今年になってから、妻があの車は可愛いなどというようになった。ついでに「いくらですか」と訊いてくる。
自慢ではないが、私は車には全く興味がない。だから値段はよくわからない。軽自動車ならだいたい100万くらいで、普通乗用車なら150万から200万程度だろうと思っていたので、適当に答えていた。
「仮免許をとって本免許をとれば自動車教習所にいくよりずっと安く免許がとれる」と友人から聞いたらしく、自分もその方法で免許をとりたいと言い出した。確かにこの方法で免許がとれれば安いが自動車免許試験場で一発試験を受ける人は、以前に免許を持っていて自動車運転ができる人が多い。運転したことがない人が自動車免許試験場で免許をとるのはかなりハードルが高い。だからほとんどの人は自動車教習所に通って実技免除で学科試験だけ試験場で受けている。
私が免許を取ったのは36歳だった。会社の上司から免許をとるようにいわれ教習所に通ってとった。半分業務命令のようなものだったから、勤務時間中に通ったので1か月かからずに免許を取得したと思う。
学科試験はともかく、技能講習は結構大変だった記憶がある。規定の31時間では足りず、たしか2時間ほど補習を受けた記憶がある。
フィリピンの自動車免許取得方法は、自動車教習所で15時間の講習を受け、筆記試験を受けてスチューデントパーミット(日本の仮免許に当たる)を取得する。その後免許証を持っている人が同乗する車で運転の練習をする。運転にある程度自信がついたら試験場で筆記試験を受けパスしたら実技試験に進み、問題がなければ免許が取得できる。
こうして比べると日本もフィリピンも免許取得までのプロセスは同じようなものだ。違うのは費用だ。
日本の場合平均30万円かかるが、フィリピンは約12000ペソ日本円で3万円弱。日本のほうが10倍費用がかかる。だから妻が教習所に行くより試験場で直接試験を受けたいというのもわかる。
とはいっても教習所に通わずに試験場で一発免許取得の可能性は低い。
学科試験は英語での受験が可能だが、英語対応の自動車教習所は非常に少ない。我が家から通学できる範囲内にはない。合宿で免許を取る教習所ならあるが、妻は仕事をしているので無理。
日本語のレベルが日常会話できる程度になれば、普通の自動車教習所でも対応できるようなので、ここは急がば回れで、教習所で使われる日本語学習をするのが早いかも。
妻は仮免許をとったら私が同乗した車で路上運転の練習をするといっている。レンタカーでというわけにもいかない。となると自動車が必要になる。
妻は自分で車を買って月々支払っていきたいようで、月々の支払額を訊いてきた。それはどんな車を買うのか、支払回数を何回にするかで決まるので一概にいえない。
フィリピンだと新車の購入費には保険や諸費用が含まれているが、日本は車本体価格に保険や税金、登録費などの諸費用がプラスされる。軽自動車の中古でも70万円から100万円。月々13,500円から23,500円程度。それに駐車場が6,000円(うちのマンションは5000円だが、いまのところ空きはないようだ)、これに自動車税と自動車保険料がだいたい月6,000円。これらを足すと月々25000円から35000円かかる計算になる。ガソリン代を含めると30000~40000円となるので結構な金額だ。
なぜ妻が免許を取って車が欲しいのかというと、勤務先までの通勤は会社の送迎を利用しているのだが、始業よりも1時間くらい前に職場に着くので時間を持て余すかららしい。
自分の車で通勤すれば確かに時間の節約にはなる。
妻が長く日本に住むなら、日本の自動車免許を取って車を買うのもひとつの選択肢だと思う。
どうなるかわからないが、妻が仮免許を取ったら車は私が買ってあげると約束した。