来月うちの子供が9歳になる。
小学生だがコロナ禍で学校は昨年の5月から閉鎖されているので1年以上学校に通っていない。
デュテルテ大統領は国民すべてのワクチン接種が終わるまでは、対面式の授業は行ってはならないといっているので、少なくともあと数カ月は学校での授業の再開はない模様。
学校が再開されると息子を待っているのはフィリピンの男児の通過儀礼「割礼」だ。
日本人からするとびっくりする通過儀礼だが、フィリピン人男性の93%が割礼を受けているそうで、受けていないと子供たちの間でバカにされるという。
地域によって違うかもしれないが、割礼は小学校の夏休みに学校で一斉に行われることが多い。
包皮の一部を切除するので、麻酔をしても術後は傷口も痛むし、それまで露出していなかった敏感な部分に直接着衣があたるので、刺激に慣れる時間が必要なこともあって学校の休みの期間に行われるようだ。
フィリピンでいつから割礼が始まったのか不明だ。
旧約聖書の創世記17章で、主はアブラハムに契約の証としてすべての男性は割礼を受けよといっている。
それに従ってアブラハムは自分自身と家族をはじめとするすべての男性に割礼をさせたという記述がある。
だから旧約聖書の流れをくむユダヤ教やイスラム教では今でも割礼が行われている。
フィリピン人の多くはカトリック教徒なので、宗教的な意味合いで割礼が行われているわけではない。
フィリピンだけでなくマレーシアやインドネシアといった東南アジアの島嶼では男児の割礼が行われている。
思うにこの地域はキリスト教が伝わる前にすでにイスラム教が広まっていたので、その影響が残っているのかもしれない。
というわけで、この夏学校が再開されると息子もその通過儀礼を経て一歩大人に近づくことになる。