5月16日付のまにら新聞によると、フィリピンの2021年の合計特殊出生率が1.8になったそうだ。
合計特殊出生率は15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもので、一般に一人の女性が一生に産む子供の数として認識されているものだ。
この統計はフィリピンの国家経済開発庁(NEDA)の長官が講演の中でが発表したものらしい。
2016年には2.7だったので、わずか5年で0.9ポイント下がったので急激な低下といえる。
日本でも1949年に4.32だったのが1957年(私が生まれた年の翌年)には2.04と2.28ポイントと大幅に下がったことがある。これは戦争が終わって若い人が戦地から戻って結婚したことで起こったベビーブームとその反動で説明できる。
その後はほぼ2ポイントをキープしていたが1975年以降は少しづつ減少して2019年には1.36にまで低下している。
この5年間にフィリピンの合計特殊出生率が下がった理由について、人口開発委員会のペレス委員長は次のとおり述べている。
1.フィリピン政府が進めてきた家族計画プログラムの浸透
2.新型コロナウィルスのパンデミック下での出産の抑制
フィリピンの家庭は子だくさんというイメージがあったが、今や夫婦と子供二人という時代になってきたということだ。
子供の数が少なくなると一人当たりの子供にかける教育などが充実するので、社会的にも良い影響がでるといわれている。
人口を維持するためには合計特殊出生率が2.07以上必要らしいので、増え続けているフィリピンの人口もやがて落ち着いてくることになるのだろう。
我が家は夫婦と子供2人なので、フィリピンでは平均的な家族ということになる。