10月11日は私の64回目の誕生日だった。
特別な感慨があるわけでもない。来年は65歳になるので、あと1年がんばれば年金が満額出るなと思うくらいだ。
振り返ってみると、思い出に残る誕生日はあまりない。印象に残っているのは40歳の誕生日。友人のイタリアレストランで会社の同僚や友人が集まってくれて盛大に祝ってくれた。
それ以外の節目の20歳や60歳の誕生日に特別なことをした覚えがない。
フィリピンとは違い、大人になってからの日本の誕生日は還暦や長寿のお祝いは別として特別なことはしないように思う。
去年の誕生日は妻と一緒に博多に行って祝う予定だったが、台風19号で飛行機が欠航となるためキャンセルし自宅で過ごした。
昨日は朝起きると妻がハッピーバースデートゥユーを歌ってくれた。なんだか気恥ずかしい。
夕方からアヒルの丸焼きをオーブンで焼いてくれ、ミニケーキを作ってもらった。ささやかな誕生日だが一人じゃないのはうれしい。
もし結婚していなかったら、きっと何もしない誕生日になったと思う。祝ってくれる人がいることだけでもありがたい。そう考えると本当に結婚して良かった。
昔は数えで歳を数えていたので、毎年正月に一つ歳をとる。だから一休さんは「門松は冥土の旅の一里塚 めたくもありめでたくもなし」なんていう狂言をつくった。
いくつまで生きられるかはわからないが、少なくとも毎年冥土の旅に近づいている。
だから誕生日はめでたくもあり、めでたくもないのかもしれない。ただ、限られた人生をめでたくするのは自分の生き方次第だと、そんなことを考えた誕生日だった。