妻は楽天もモバイルを使っていたが、少し前から職場で電波が届かなくなるトラブルが発生していた。
楽天モバイルは自前の基地局が少なく、全国展開するためにKDDIの回線を借りていた。KDDIのローミングサービスを受けるためには費用が発生する。この回線使用料が収益の足を引っ張っていて、基地局が出来たエリアから順次KDDIのサービスを縮小してきた。そして先月4月にKDDIのサービスを停止する地域を一挙に増やした。
とはいっても、すべてのエリアに対応するまでに至っていない。そのため電波が届かない空白地帯が生まれている。
妻の職場で電波が届かなくなったのは、運悪くこの空白地帯に該当したためだと思われる。
携帯電話で電波が届かないというのは致命的な欠陥だ。
おまけに楽天モバイルは5月13日、これまで通信量が1Gまで無料だったプランを廃止すると突然発表した。
今回の発表に限らず、昨年から楽天のサービスでは改悪が続いている。楽天グループのサービス利用時に付与されていた楽天ポイント還元率がつぎつぎに引き下げられている。
楽天は楽天ポイントを利用者に還元することで顧客の囲い込みを行い、いわゆる楽天経済圏をつくってきた。
こうした戦略が崩れてきたのが楽天モバイルがかかえる巨額の損失だ。
昨年度の楽天モバイルの営業赤字は4211億円にのぼり、他の事業で稼いだ収益が食われてしまった結果、楽天の営業損益は1947億円の赤字になっている。
こうした状況をみれば、楽天モバイルの料金改定や楽天ポイントの付与率の引き下げもやむを得ないだろう。
とはいっても利用者からいわせてもらえば、ちゃんとしたサービスもできないのに料金を改定するのは、楽天の経営に問題があるとしかいえない。
職場に電波が届かないこともあって、通信会社を変えようと考えていた矢先の料金改定だったので、即座に通信会社を変えることにした。
自宅でのスマートフォンはWiFi接続で、モバイル回線を使うのは外出先だけだから3ギガバイトもあればよい。そこでいろいろと検討した結果、通信回線が安定しているKDDIの格安ブランドのpovoにすることにした。
Web上での手続きに手間取ったものの一昨日SIMが届いた。回線開始の設定もすませて使い始めたところ、職場でも電波状態はすこぶる良かったようで安心した。
povoの少し面倒なところは、基本料金は0円だが付加サービス(トッピングサービス)をその都度購入しなければならないことだ。
たとえば30日間で3ギガバイトを購入すると税込みで990円となる。楽天モバイルの価格改定後の料金は1,078円だから88円だけ安い。一年間だと1,056円になるのでほぼ1か月分安くなる計算だ。
トッピングサービスを180日以上しなかった場合、回線が停止されるとのこと。
ちなみに楽天モバイルの料金改定の発表後、povoの申し込みは前の週の2.5倍に増えたそうだ。